水虫はどうして起こるの?

水虫は、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビ)の一種が足の角質層に繁殖して起こる皮膚の病気です。
この白癬菌は人体のあらゆる皮膚に寄生して、いわゆる「白癬」という皮膚病を起こします。
白癬は、感染する皮膚の場所によって呼名が異なります。

頭部しらくも(頭部白癬)
身体たむし(体部白癬)
陰部いんきんたむし(股部白癬)
爪水虫(爪白癬)
足の指、足の裏水虫(足白癬)

いいかえれば、これらの病気は、人体に生えるカビによって起きるものといえます。
水虫の場合、特に足に多くできますが、なぜ手よりも足に集中するのでしょうか?

白癬菌は水分の多い場所、湿気の多いところを好む性質をもっています。
すなわち、現在の私たちの生活では、常に靴下をはき、さらにその上に靴を履くという風習のため、その足は水虫にとって最高に住みやすい場所となっているわけです。
反対に水虫は乾燥した場所を好みません。
常に空気にさらされ乾燥している皮膚には水虫が起きにくいということになります。

靴下も靴も履かない生活を毎日続けていれば、確かに水虫にかかる率は減ることでしょう。
しかし、このような生活は働きに出ている人たちにとって、なかなか難しいことだと思います。

昔から専門家は、水虫の予防は”足を常に清潔に保つことである”といいます。
これもまた日常生活の中で、それをいつも意識して実行することは困難でしょう。

ですが、いくら気をつけて予防してても、感染してしまうこともあります。

そうです。
問題なのは、白癬菌は”感染する”ということなのです。

普段生活している私たちの周りには、常に白癬菌がウヨウヨしています。
家族や同居人の中に一人でも水虫の人がいると、床やスリッパ、風呂場のマットなど、ありとあらゆるところに白癬菌がちらばっていることでしょう。

また、土壌からも白癬菌は発見されるそうです。
そうなると、外で遊んで帰ってきたペットの犬や猫が、白癬菌を連れて帰ってくるかもしれません。
こういう状態ですから、白癬菌がつかないという方がおかしいかもしれません。

今と昔では水虫にかかっている男女の比率も変わってきているそうです。
かなり古いある専門医の調査になりますが、男性で60%以上、女性で35%以上が水虫にかかっていたという報告がありました。
しかし、最近では女性もストッキングやブーツをよく履くようになってきたために、女性も水虫にかかる人が増加しているようです。
水虫にかかっている年齢別では20代~30代が最も多く、その反対に10歳以下の子供、あるいは50代以上の女性にはあまり水虫がみられません。

自然環境ではわが国のように、梅雨の時期があったり、夏が高温多湿な気候のところは、このような気象現象が水虫にかかりやすい状態を作り出しているといえます。

しかし、それでも普通に生活を続けていて、水虫にかからない人も多くいるわけです。
水虫にかからない人は、ただ衛生面に気をつけているという理由だけではないようです。

専門家の中には、水虫が足の指の形や位置に関係していると指摘している人もいます。

足の指の形によって、水虫にかかりやすい人とかかりにくい人とがあるといいます。
水虫にかかりやすいタイプは、指が太い人、あるいは普通のサイズの指であっても、指と指がくっついているために、指と指の間(これを趾間といいます)に隙間のない人とされています。
逆にこの趾間が比較的広い人は水虫になりにくいといわれています。

しかし靴を長い時間履く生活が多いと、靴によって指が圧迫され趾間の隙間がなくなるため、水虫にかかりやすくなる機会がふえていることも事実です。
また趾間でも、第一趾と第二趾の間(第一趾間)、第二趾と第三趾の間(第二趾間)は、第四趾と第五趾の間(第四趾間)に比べて、水虫にかかりにくいといわれています。
第四趾間は他の趾間に比べて隙間が少なく、汗をかき水分がたまりやすく、最も水虫にかかりやすい場所といえます。

もう一つの問題は、体質的に水虫にかかりやすい人とかかりにくい人がいるかどうかということです。
医学的にはまだわからないことが多いといわれていますが、多汗症の人は水虫にかかりやすいといわれています。
しかし、これも統計的に証明されているわけではなく、ただ多汗症の人は趾間でも水分が多いので、そこが水虫に感染しやすい状態になっているという理由にほかなりません。

一般的に、水虫の感染に最も影響を与える要素は、やはり個人の生活環境あるいは生活様式といったものではなかろうかといわれています。
従って結局のところ、普段からできるだけ水虫に感染しない条件のもとに生活するよう心掛けることが第一ということですね!

予防方法はまた特集したいと思います!