水虫薬「ホロスリン」の歴史

ホロスリンができるまで

水虫薬「ホロスリン」の有効成分であるホロトキシンは、島田恵年という一薬剤師が発見し、特許を取得しました。
ホロトキシンの発見者である島田氏は自宅が薬局を営む、京都大学医学部薬学科の学生でした。
当時彼は、何か化学の分野で情熱を燃やせるものがないものかと日々強い探究心を持って過ごしていたそうです。
そんなおり、母がどこからか聞いてきた「なまこが水虫に効く」という話しを耳にしました。
ちょうど近所に住む人がひどく水虫に苦しんでいたこともあり、 彼はさっそく水虫になまこの煮汁をつけてみるようアドバイスをしてみました。
すると後日、アドバイス通りになまこの煮汁を試しにつけてみた近所の人は驚く程、 水虫がきれいに治ったとよろこんでお礼を言いにきました。
その結果に大きな驚きと感動を覚えた島田氏は、不思議な効力を発揮したなまこについて調べ出しました。
しかしその結果は、漢方の参考書になまこが皮膚病に効いた例が記載されていた事、 それと乾燥なまこにはかびが生えにくいという程度の事しかわかりませんでした。
その当時から水虫薬は様々な種類のものがありましたが、 彼は持論として化学合成物は必ず生体に問題が起こるという信念を持っていた事から、 なまこという天然成分を水虫薬に活用できる可能性に強くひかれ、興味に拍車がかかってきました。
日が経つにつれ、どんどんなまこ研究の魅力にのめりこんでいった島田氏。
彼はその頃大学院に進学しておりましたが、大学の研究室では、 医薬品の開発関係とはおよそ離れた事を行っていました。
その為、島田氏は悩んだ末、なんと大学院をやめ自宅の物置を改造して研究に没頭する様になりました。
しかし、なまこから水虫の有効成分を取り出す方法は、今まで大学や大学院で勉強した分野の方法では成功せず、 それ以外の方法も全く検討がつかない状況であり、まさに手探りの研究でありました。
…そして、そんな研究をひっそりと、自宅の物置で根気強く続けた日々が10年ほど経った時、 ついになまこから実用性の高い効カビ成分の抽出に成功しました。
その時、島田氏は久々に家の近くを走る電車の音に気付いたといいます。
恐ろしく研究に没頭していたのでしょう。
その後、日本で特許申請し、取得。さらに、アメリカ、イギリス、ドイツと計4カ国にて特許を取得しました。
この世紀の大発見は特許取得だけに留まらず、か有名なアメリカの科学雑誌「SCIENCE」にも掲載されました。

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