水虫について

水虫って?
水虫は白癬菌というカビの一種の菌によってかかる皮膚病です。
水虫の原因はカビなのです。
皆様もご経験がおありになると思いますが、 ジメジメした梅雨の季節になりますと、手入れを忘れた靴などにカビが生えてくる事がありますね。
水虫もカビで起きるものですから、梅雨時になると急に水虫患者が増えることになります。
白癬菌は皮膚の最表層にある角質に生息して水虫を発生させます。
角質とは死んでいる細胞の集まりです。
白癬菌はその死んでいる細胞である、角質にしか生存しないのです。
この角質は皮膚の内部でできてくる皮膚細胞に押し上げられて表部から次々とはがれ落ちてゆくわけです。
新しく出来た皮膚細胞は更に新しく出来た皮膚細胞に押し上げられ、やがて死んでいき角質化するのです。
このはがれ落ちかかった角質に付着した白癬菌が生息を始めて水虫になります。
ですから付着してすぐに水虫になるのではなく、一、二日して水虫になるのです。
しかし、目で見て水虫と判る事は少なく、カユミを感じて始めて水虫とわかる事になります。
しかもそのカユミは水虫特有のひどいものです。
少し掻いてもカユミは消えません。
少し掻くとかえってカユミがひどくなり、爪を立てて傷がつくほど掻くのが普通です。
その時の痛みにまぎれてカユミが耐えられるというのが一般的です。
水虫の特性
水虫菌は皮膚の最表層にある角質に寄生し、角質成分のケラチンを栄養源として生息します。
そして内部へ内部へと成長して新しく出来たケラチンを食べるのですが、角質より内部へは侵入しません。
しかし、それがかえって人間にとって不都合な事なのです。
生きている細胞は一般に病原菌に対して抵抗力を持っています。
ところが角質は先に申しましたように死んでいる細胞であるため、水虫菌に対して抵抗力がありません。
さらに、水虫菌は薬や環境に耐性を持つ力が強いという特性があります。
ですから、一度水虫にかかると水虫菌と完全に離別する事が難しく、水虫はなかなか治らりません。
ひどい人は十年以上水虫にかかりっぱなしという事もあります。
どんな病気にでも云えることですが、水虫にもかかりやすい人とかかりにくい人があります。
たとえば、ご主人が水虫にかかっていても奥さんは水虫にかかっていない人をよく見受けます。
日常生活をごいっしょにしているのですからご主人から奥さんに水虫がうつってもと思うのですが、 やっぱり体質なのでしょう。
もちろんご夫婦共に水虫にかかっておいでの場合は多く見られます。
そしてお父さんが水虫で子供さんも水虫という事はよく見受けられます。
水虫にかかりやすい体質が遺伝しているのでしょう。
水虫治療のポイント
水虫治療のためには水虫薬を塗りますが、カユミが止まったところで治療を止めてはいけません。
水虫菌は薬に対して非常に強い抵抗力を持っていますから、それくらいでは死んでしまうわけではありません。
効く薬ですと、四、五日もすればカユミは忘れるくらいになります。
さらに、それからも続けて薬を塗らないといけません。
カユミがなくなってからも薬を塗ると患部の皮がめくれます。
薬を塗っても皮がめくれなくなり、新しくきれいな皮膚が出来て周囲の皮膚が区別できなくなれば治療完了です。
その期間は患者さんの体質や水虫の具合によって必ずしも一定では有りませんが何ヶ月もかかる事は有りません。
水虫が出てきたときは再発したと考えられますから、上に書きました要領で治療する事が大切です。
一ヶ月以上過ぎて水虫が出てきたのは再発ではなく再感染と見てよいでしょう。
その際、治療材に求められるのは、治療中角質が次々と新しく出来て、 水虫菌が生息している角質がどんどんはがれ落ちてゆくことです。
そうすれば結果として、体から水虫菌がいなくなることになり、水虫が完治することになります。

ホロスリンについて

天然ナマコ成分が水虫に効く!
なまこの酢のもの、あるいはなまこの腸のこのわたにみられるように、 日本では古くからさけのさかなとして、なまこが食用に供されてきました。
中国でも、イリコという名で、なまこを干したものが漢方薬として、重要な役割を演じてきました。
しかし、そのなまこが水虫に効くということは恐らく誰もが知らなかったことでしよう。
正確にいえば、なまこの中に含まれて抗かび作用をもつある成分が水虫に画期的に効くということです。
この成分を島田氏が抽出し、それをホロトキシンと名づけました。
水虫薬「ホロスリン」はその天然ナマコの成分であるホロトキシンを主成分としております。
ホロスリンができるまで
水虫薬「ホロスリン」の主成分であるホロトキシンは、島田恵年という一薬剤師が発見し、特許を取得しました。
ホロトキシンの発見者である島田氏は自宅が薬局を営む、京都大学医学部薬学科の学生でした。
当時彼は、何か化学の分野で情熱を燃やせるものがないものかと日々強い探究心を持って過ごしていたそうです。
そんなおり、母がどこからか聞いてきた「なまこが水虫に効く」という話しを耳にしました。
ちょうど近所に住む人がひどく水虫に苦しんでいたこともあり、 彼はさっそく水虫になまこの煮汁をつけてみるようアドバイスをしてみました。
すると後日、アドバイス通りになまこの煮汁を試しにつけてみた近所の人は驚く程、 水虫がきれいに治ったとよろこんでお礼を言いにきました。
その結果に大きな驚きと感動を覚えた島田氏は、不思議な効力を発揮したなまこについて調べ出しました。
しかしその結果は、漢方の参考書になまこが皮膚病に効いた例が記載されていた事、 それと乾燥なまこにはかびが生えにくいという程度の事しかわかりませんでした。
その当時から水虫薬は様々な種類のものがありましたが、 彼は持論として化学合成物は必ず生体に問題が起こるという信念を持っていた事から、 なまこという天然成分を水虫薬に活用できる可能性に強くひかれ、興味に拍車がかかってきました。
日が経つにつれ、どんどんなまこ研究の魅力にのめりこんでいった島田氏。
彼はその頃大学院に進学しておりましたが、大学の研究室では、 医薬品の開発関係とはおよそ離れた事を行っていました。
その為、島田氏は悩んだ末、なんと大学院をやめ自宅の物置を改造して研究に没頭する様になりました。
しかし、なまこから水虫の有効成分を取り出す方法は、今まで大学や大学院で勉強した分野の方法では成功せず、 それ以外の方法も全く検討がつかない状況であり、まさに手探りの研究でありました。
…そして、そんな研究をひっそりと、自宅の物置で根気強く続けた日々が10年ほど経った時、 ついになまこから実用性の高い効カビ成分の抽出に成功しました。
その時、島田氏は久々に家の近くを走る電車の音に気付いたといいます。
恐ろしく研究に没頭していたのでしょう。
その後、日本で特許申請し、取得。さらに、アメリカ、イギリス、ドイツと計4カ国にて特許を取得しました。
この世紀の大発見は特許取得だけに留まらず、か有名なアメリカの科学雑誌「SCIENCE」にも掲載されました。
ホロトキシンの構造
島田氏は、なまこからホロトキシンを取得し、それが白癬菌やカンジダなどの真菌類に対して高い抗菌作用をもっていることを発見するや、 ただちに世界的に権威のある科学雑説「サイエンス」(一九六九年)に発表。この中で、 彼は乾燥したなまこから体壁をけずり取り、それを材料に各種の有機溶媒により分画抽出を行い、 結晶性のホロトキシンを得たことを報告しています。同時に彼はそこで、 その物質をステロイド核をもったグリコシッド(配糖体)であるといっています。
このサイエンスにおける彼の報告は、世界の研究者の興味を呼びました。
そしてアメリカやソ連の天然物関係の科学者の中にはホロトキシンの化学構造を究明しようと研究を始めた者もいました。
わが国でも、大阪大学薬学部の北川先生を中心とした天然物化学研究グループがホロトキシンの構造に興味をもち、研究を始めました。
その研究の結果、最近、北川先生らは、ホロトキシンと考えられた物質は、 ホロトキシンA,およびCの混合物であることを発表しました。
なまこの体壁の抽出によってホロトキシンが得られますが、 さらにこのホロトキシンを化学的に分析しますとホロトキシンAが大部分を占め、 次いでBが多いことがわかりました。
Cは非常に僅かにこの中に含まれているに過ぎません。
大阪大学では、これらのA,BおよびCをそれぞれ分離し、構造を追求しています。
そして今までにAとBの構造が決定されましたホロトキシンAもBも専門的には、ステロイド系のサポニン中の一つであるといえます。
ホロトキシンAおよびBの化学構造を示せば次のようです。
これは非常に難かしい構造のようにみえますが、植物の中には、作用は異なりますが、 同類のサポニンを含んでいるものが多くあります。
たとえばジギタリス葉の中の強心配糖体として知られているジゴニン、ジトニン、ジギトニン、甘草中のグリチルレチン、 あるいは朝鮮人参の有効成分であるジンセノサイドなどはその代表的なものです。
一口で構造をいえばホロトキシンAはステロイド核にキシロース二個、キノボース一個、グルコース一個、メチルグルコース一個が結合したもの、 ホロトキシンBはこのAにもう一つグルコースがはいったものといえます。
ステロイド系の植物界での分布は比較的広く知られていますが、 動物界での分布はあまり知られていないようです。
今まではなまことヒトデ類に含まれていることはわかっていました。
しかしこれらは抗かび作用がある成分ではありません。
なまこの中から発見されたホロトキシンが抗かび作用を有する配糖体の最初ではないかと思われます。
島田氏は、天然界から抗かび作用のある化学物質を選び出し、それが水虫に画期的な効果をもつことを発見しました。
そして彼なりにその構造を究明し、サポニン系統のものであろうと考萎しました。
一人の科学者が十年有余の歳月を費やしてここまでやりとげました。
その後に大学の研究者が最新の科学的知識と技術を使って化学構造を決定しました。
これによって将来、ホロトキシンが化学的に合成し得る可能性が出たわけです。
ただこの構造から考えると、ホロトキシンの合成はむしろ経済的に難しいと思われますが。
また、北川先生らは、これらホロトキシンの白癬菌などに対する最小有効濃度を比較しています。
これによりますと、ホロトキシンAとBはその値が大体同じ程度です。
彼がホロトキシンを発見してから、北川先生がその化学構造を決定するまでにも、かなりの年数が費されています。
彼は、北川先生がホロトキシンの構造研究を行うに際して自分のつくったホロトキシンのサンプルを提供しました。
彼はこれについて、自分の発見したホロトキシンが優れた研究者によって研究され、 解明されたことを喜び、同時にまた先生に対して感謝の念で一杯であると語っていました。